2016年度 3Cコース モニターレポート(Aグループ)

このレポートでは、2016年度に行われた3Cコースの全7回のグループワークをとおして、モニターサイトがどのように変化したかをお伝えします。

セミナーの概要

モニターサイト

モニターサイト

ネットショップ「ぶどうの木」
http://www.budounoki.info/
株式会社東研 代表・高橋和子さま
「JAS法で認定された有機農産物、有機野菜」の専門店です。

3Cコースとは?

3Cコースは、ismの基礎となるセミナーです。
2016年度の3Cコースでは、「経営ヒエラルキー」と「3C」に対応した7つのテーマを学んでいただきました。
座学(2h)+グループワーク(4h)という構成で、座学で考え方やフレームワークを学んだあと、グループワークで実際のサイトに落とし込みます。

経営ヒエラルキーと3C

【第1回】戦略のフレームワーク3C
【第4回】商品/サービスの価値を高める
【第5回】戦略的メッセージを伝える
【第6回】ウェブサイトのUXD
【第7回】価値観とリーダーシップ
【第2回】お客様は誰か、求める価値は何か
【第3回】選ばれる理由

第1回:理想的な3Cを描く

まずは、これから1年間、共にお話合いをしていくメンバーでの顔合わせから始まりました。簡単な自己紹介をしていくなかで質問も交えながら、話しやすい雰囲気作りを整えていきます。
その後、モニターサイトとなる「ぶどうの木」さんについて、詳しく知る時間を設け、ぶどうの木さんについての理解を深めました。 ある程度把握できたところで、どんな3Cがあったら理想的なのかを皆で考えていきます。「これはできない」「あれはダメ」という条件や枠組みに捕らわれず、本来どうあったらお客様も自社も満足し合えるのか、というゴールをざっくりとイメージしていきます。

受講前の3C

受講前の3C

結果として、3Cにまとまるまではいきませんでしたが、
『お客様の種類がたくさんあること』という気付きを得て、
『こんなものがあったら嬉しいのではないか』 というさまざまな意見やアイディアが浮かび上がりました。

●お客様が色々想像できる
・病気(ガン・アトピー)
・健康維持
・美容
・夏に有機人参を探している人
・美味しい野菜を求めている人

●あったらいいな
・突き抜けた野菜(味・レア度・高機能・珍しさ)
・特別な日の野菜

第2回:お客様を分けて考える

そもそも3Cはお客様毎に(正確にはそのお客様が求める価値毎に)異なります。 第1回でもあったようにお客様の種類がたくさんあることに気付きましたので、まずはそのお客様を洗い出すプレストを行いました。
「ぶどうの木さんの野菜を食べたい人はどんな人なのか」
「シーン」の違いや「求める価値」の違いにより、さまざまな意見が飛び交います。 これを「KJ法」である程度グループ化し、お客様像を整理していきます。

KJ法

ディスカッション

いくつかのお客様像が浮かび上がる中で、どこをターゲットにしたらいいのか、絞り込みを行いました。

その際、

  • 経営者さんがこの人を助けたいと思うお客様であること
  • ある程度成果が見込める程度の市場の大きさがあること
  • 自社の強み(可能性)が活かせるお客様であること
なども考慮して検討していきます。

そして

  • 有機にこだわらないのだけど体に良いものを継続的に食べたい
  • 手間をかけられないからこそ、せめて良い素材を
と思っている忙しいお母さんが多いこと に着目し、そのお母さん達を助ける何か、を考えていくことが重要な軸ではないかとなりました。

 

キーワードは「そのひと手間がI Love you」です。
手間のかからないちょっとした手間で、忙しいお母さんも家族も幸せになれるにはどうしたらいいのか、課題が浮かびあがります。

そのひと手間がI Love you

第3、4回:選ばれる理由は何か

お客様が絞られてきたら、「そのお客様に選ばれる理由は何か」を考えていきます。
そのお客様が何に困っているのか、本質的に何を求めているのか、そこを深堀することで、どんなものを提供したらマッチするのかが浮かび上がってきます。
そしてそれは「商品」なのか?「サービス」なのか?

また、カスタマージャーニーマップを使い、各段階でのユーザーのシナリオを見ていくと、ユーザーが抱える課題が具体的に見えてきます。その課題を解決することが、商品・サービスの価値を高めることになり、選ばれる理由を作ることにつながっていきます。

選ばれる理由

カスタマージャーニーマップ

  • 生野菜を美味しく食べるたべるためのドレッシングや調味料を開発したらどうか?
  • ベジヌードルなど野菜を楽しく手軽に食べる器材をレンタルしては?
  • カット野菜として届ける?(これは新鮮さとトレードオフなのでとても迷うところです)
などの、商品に付加価値を付けるアイディアもたくさん出てきました。

メーカーに近いほど商品開発に優位性があり、仕入れ品に近いほどサービス開発の方が勝ち目があります。
ぶどうの木さんでは、どちらかというとサービス価値を高めた方が勝ち目があるかもしれません。
そのため、「手間をかけたくないけど家族に良いものを食べさせたい」という忙しいお母さんをイメージしているので、ぶどうの木さんがこれまで培ってきたお客様へのサービス対応の高さを活かし、「使い切りのためのサポートプログラムを提供してみては?」といったサービス視点での意見もあがってきました。
また、「食卓に飾るちょっとしたお花を同梱しては?」という意見もあがりました。
例えば、「これはこの野菜の隣でこの季節に咲いた小さなお花です。ご家族の皆さんがより笑顔になれますよう、一緒に食卓に飾ってください。」といった心遣いも喜ばれるかもしれません。
求める本質を理解しているからこそ浮かび上がってくるアイディアです。

第5、6回:作るべきコンテンツ、サイトでの見せ方

3Cで導き出した「お客様が求める価値」と「差別的優位点」をサイトでしっかり伝えていくためには、それをコンテンツという形にする必要があります。
どんなコンテンツとして形にすれば、より伝えたいことが伝わるのか、意欲を引き上げられるのか。

ここでも、ブレストで「必要なコンテンツ」を洗い出し、KJ法でカテゴリ化してまとめていきます。
そして、これこそが伝えなければならない戦略コンテンツだというものに焦点を当て、具体的にイメージしていきます。
忙しいお母さんが常に抱えているのは、「手を抜いてしまっている」「栄養は足りているのか」といった罪悪感。その罪悪感を払拭し、「手間をかけなくても家族を幸せにできる」という共感を生み、応援の気持ちが伝わるストーリーなども検討されました。

コンテンツのブレスト

そして、コンテンツを作った後が、枠組み作りです。
どんなユーザーモデルに、どんな順番で作ったコンテンツを見せていけばいいのか、ワイヤーフレームを検討していきます。

例えばキービジュアルで何を見せたらいいのかは特に重要です。
メインターゲットである忙しいお母さんに伝えることは、「求める価値」なのか「差別的優位点」なのか。それをどんな形で表現するのか。

  • 安心な野菜であることの背景、受け取ったあとの喜びの表現
  • 野菜が主役の季節ごとの食卓イメージ

など、議論が深まっていきました。

ワイヤーフレーム

上の図で、左側のワイヤー案【A】の部分は、第3、4回で浮かび上がった、「同梱された季節のお花」も食卓に置かれているイメージです。

競合はそこまで個々のお客様が求めることを深堀できないでしょう。絞り込むメリットはそこです。
深堀するからこそ、他が提供していない価値を深堀できるのです。そしてそれが選ばれる理由につながっていきます。

第7回とまとめ:価値観とリーダーシップ

最終回は、「自身の価値観」、「自分が本当にやりたいこと」を浮き彫りにするために、自己分析や、人生を振り返り自分史を書くことに取り組みました。

エゴグラム分析では自身について、厳しさと優しさのバランス、倫理性、自由さと順応さのバランスなどを理解し、自分と相性の良いパートナーはどんなタイプなのかを考えることもできました。

また、自身の人生の中で一番頑張ったことを振り返ったり、好きな経営者はだれ?、お金があったら何をするか、もうすぐこの世からいなくなるとしたら何をするか、といった具体的な質問に向き合い、自身の価値観を浮き彫りにしていきました。

それを踏まえて、最後に全員が「自身の3C」を書くことで、これからどうしていきたいのか、自身の大きな戦略を描きました。

エゴグラム

3C発表

 

そして、全回の最後に固まったぶどうの木さんの3Cは、第1回よりも随分と絞り込まれ、洗練されたものになりました。
お客様は「家族の健康のために毎日野菜を食べさせたい(有機にこだわらない)」という「そのひと手間がI  Love You」ユーザー。
このお客様が何を求めているのかを理解し、自社の強みを活かした上で、見据えた競合と比較された時に、何があれば選ばれるのかを導き出した結果です。
全回に渡り、さまざまな角度で模索し議論してきたからこそ到達できるもので、今後もこの3Cはブラッシュアップされていきます。

受講後の3C

最後に

グループワークに参加すると、多くのメリットがあります

3Cコース前半の講義を聴いた後、後半に早速実践してみる、という形式は、より早くより深く、皆さまに吸収していただくための方式です。

モニターサイトさん

ここで固まった内容を早速自社に反映していくことが可能です。
膨大なコンサル費用を払うことなく、費用対効果の高いコンサルティングを受けることができます。
また、さまざまなメンバーと交流することで、自社内で悶々と抱えていた悩みやハードルを越えることができ、信頼できる今後のパートナーを見つけることも可能です。

ネットショップさん

自社に置き換えて、何を考え、何に取り組めばいいのかが明確になるので、早速帰って検討することができます。また、モニターサイトさん同様に、安心して任せられる信頼できるパートナーに出会うこともできます。

ウェブプロさん(コンサルや制作、マーケ会社さん)

自社のクライアントさんに置き換え、どのように仕事をまわしていけばいいのかが明確になります。また、グループワーク内での意見、他の方の意見が、自身の実となり力となり、今後の仕事の精度を高め、より成果に貢献していけるようになります。


そして何より、長くお付き合いをし、それぞれの価値観を共有することで、各自の視野と未来が想像以上に広がります。
凝り固まった枠組みの中で迷走している方こそ、ぜひismグループワークに足をお運びください。ismはよりよい社会を目指そうとする志を持った方々の集まりです。

この記事を書いた人

村上 佐央里

村上 佐央里
ウェブコンサルタント(個人事業主)
株式会社ゴンウェブコンサルティング 社外取締役
http://www.saorimurakami.jp/
1998年より、システム開発会社にてSEを経験後、2004年より株式会社ゴンウェブコンサルティング入社。
戦略から、マーケティング、デザイン、システムを一人で手掛け、ネットショップのマーケティング、制作を中心に、多くの成果を残す。
2009年よりフリーランスとして独立。戦略を落とし込んだウェブサイトリニューアルを行う傍ら、全国でウェブマーケティングセミナーも行う。
セミナー前は白ワインでリラックス。

著書
『なぜ、あなたのウェブには戦略がないのか?』
『ECサイト「4モデル式」戦略マーケティング[新版]Google Analytics経営戦略』

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